【yDWorks No.01】1/8 緑原百花 水着フィギュア 制作後記

光造形3Dプリンター

どうも、yknDです。
ブログ記事の第一稿は動画のネタでボツにした、yDWorksとしては1作目にあたる
「1/8 緑原百花 水着フィギュア」について、
写真を交えつつ紹介と解説のような何かをダラダラと書き連ねていきます。

以下、「動画」と出てきた場合、↓の動画のことを指すと思ってください。
【第二回ボイロプラモ祭】ずんだもんフィギュア 作ってみた【光造形3Dプリンター】

デバイス規制とか気にしなくていいんで
モザイクとか黄色いテープとか謎の白い光とかは付けない方向で。

緑原百花ちゃんについて

そも緑原百花ちゃんについて、ごく一部の人しか知らないと思うので、軽く紹介をします。
動画内でも言及していた、某3Dアダルトゲームというのは、メイドさんを自分好みにカスタムして作成し、そのメイドさんで色々とエロエロなことをするゲームです。
某3Dアダルトゲーム界隈では、そのカスタムしたメイドさんを『嫁イド』と称する習わしがあります。ツイッターのタグ上やメーカー公式のニコニコ生放送ではゲーム内機能で各々が撮影した嫁イドの画像をこれでもかと投げつけて殴り合うバトルが毎回繰り広げられています。
筆者の嫁イドがこの「緑原百花(みどりはら ももか)」ちゃんです。
ちなみにヤンデレ性格です。
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筆者の別活動において、作成したMODを配布する際、だいたい彼女がモデルとして衣装を着用して配布用スクリーンショットを撮影してるので、「あ、この娘見た事ある」って方はそれなりにいらっしゃると思います。
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また、今は休刊してる某アダルトゲーム雑誌と連動したスクショ投稿大会の第二回目で、彼女を主役に据えた作品を撮影して投稿しましたが、なんと恐れ多くも大賞をいただきました。そのアダルトゲーム雑誌のムックにそのときの撮影作品が掲載されてしまってます。副賞としてゲームのDLCパックにNPCとしても(筆者と一緒に)ゲーム内イベントに登場してるので、MODを使ってない方でも知ってる人は知ってることかと思います。
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また、カスタムキャストというその3Dアダルトゲームとよく似たアプリがありますが、そのアプリの公式生放送企画で制作された日めくりカレンダーにも1月25日あたりによく似た娘がいます。断っておくと、本人です。決して生き別れの双子の妹とかじゃないです。
1月

当ブログでも看板娘に据えてバンバンプッシュしていきたい所存なので、詳しいプロフィールなんかはおいおい別個に記事を設けて書き連ねていく予定です。
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とりあえずニコニコ動画なんかから来た方は「あ、筆者がその3Dエロゲで作ったオリキャラなのね」ぐらいの認識でOKです。

デジタル原型について

作者の自作フィギュア第一作目にあたる上に、ガレージキットというものすら作ったことがなかったので、色々手探りで完成にこぎつけた経緯があります。なので動画内でもずんだもんが言ってましたが、デジタル原型ならまだしも、3Dプリンターで出力後の作業中の写真がほとんどありません。
なので今残ってる3Dデータのスクリーンショットとか、スペアパーツの写真とかを交えながら製作時の事について触れていこうと思います。

まず、デジタル原型についてはZBrushCoreを用いて作成しました。ソフトを購入する際、廉価版のZBrushCoreでしばらく頑張るか、分割払いでZBrushの方まで手を伸ばすか迷いましたが、「こっち方面でお金稼げるようになったら来年のセール時にZBrushにグレードアップしよう」ということでZBrushCoreの方を購入しました。

元々3DアダルトゲームでMODを作っていたこともあったり(もっといえばMMDerを目指していた時期もあったり)で、ローポリ~ミドルポリ程度の3Dモデルに関してはそれなりにスキルや基礎知識がありました。
が、ZBrushCoreでは基本的にハイポリをメインに扱うので、勝手が全く違いました。しいて言えば一時的にモデルをハイポリにして衣装のシワを彫り込んでその時の陰影をテクスチャに焼き込む機能でテクスチャを作成するという技法を使っていたため、その時の経験や機材(液晶タブレット)が活かせたぐらいです。

ZBrushCoreと3Dプリンターでデジタル造形フィギュアを作成するHowTo本があったため、それをポチって読み込んでZBrushCoreを扱い方を習熟しつつ、スケッチ・イラスト用の人体解説本で改めて女体もとい人体について勉強しなおしたりしました。

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某3DアダルトゲームのMODの作り方を知ってる方からすると、「で、どうやってメイド素体や衣装のモデルを3Dプリンターで出力できるようにしたの?」とか思うかもしれませんが、3Dゲームのモデルはおろか、外部ソフトの3Dデッサン人形素体の類も使っていません。ZBrushCore内のプリセット素体とメタボール生成機能、後は髪飾りとして過去にMOD用に自作したモデルのみを用いて制作しています。
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そもそもその3Dアダルトゲームの利用規約で、最終的にゲーム内で表示する事を目的とせずに、ゲーム内の3Dモデルを他のアプリケーションで利用する行為は禁止されています。要はMOD作成に使うのはOKで、それ以外の目的、例えばMMDとか他の3Dアダルトゲームなんかにモデルを流用するのはNG、という訳です。よってゲーム内の3Dモデルを3Dプリンターで印刷する行為は明確な利用規約違反になります。
そういう情報を求めに当ブログを訪れた方は、サイトのカウンタだけ回して回れ右してください。

衣装が水着なのは単純に素体から作るのに一番作りやすいからです。参考にした書籍でも大体水着や下着に近い恰好+上着やスカートっていう構成でしたし、3DエロゲのMODでも素体から切り出して水着や下着を作るのが衣装MODの入門編でした。
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後はキャストオフとか考えてたんですが、光造形3Dプリンターで仮出力を行った際に、薄いパーツが歪んだり、ダボ用に設けてた細かな穴なんかが塞がったりしたので「あ、こらMODと同じ感覚でキャストオフモデル作れねーわ」と判断して普通の水着フィギュアにしました。でもいつかキャストオフフィギュアは再挑戦したいです。
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プリンター出力とその後の加工について

で、キャストオフ仕様から普通の水着フィギュアに作り直して、本番出力を行った訳です。
出力には動画内でも紹介した、AnyCubic社のPhotonMono(2K)という光造形3Dプリンターを用いました。使用したレジン液はSK本舗の水洗いレジンの白になります。
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巷で騒がれてたようなパーツの脱落とか出力失敗とか大きな失敗はなかったんですが、とかくパーツの歪みで接合部に大きな隙間ができたりしました。当時は「よーしyknDさん,肌はサフレス塗装しちゃうぞー」とか無謀なことを考えてて、パテで補修すりゃ早いものを、接合部の精度を上げるのに時間を費やすことになります。サーフェイサーを吹かずに肌色を塗り重ねて、レジンの素材そのものを活かして肌の透明感を表現するっていう手法です。ダボを作り直したり、出力時のパーツの向きやサポート材の配置などを色々変えたりなどして、パーツ1つにつき、2~3回程度のリテイクを行っています。
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精度を上げるのに限界を感じて、今度はフィギュアと同じ素材、つまり未硬化のレジン液を隙間埋めに用いることを思いつきます。溶きパテ程度で埋まるような隙間ならまだイケたかもですが、SSPHGパテやポリパテを用いないと埋まらない程の隙間にレジン液を流し込んでUVライトを当てて隙間埋めしようとしてました。動画内でもやってたように、片方に離型剤としてメンタム塗って、SSPHGパテよろしく端材となるサポート材をリューターで削って粉末状にしたものをレジン液と混ぜて粘度を上げて、それを少しずつ流し込んでUVライトを当てて硬化させて、の繰り返しでした。
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正直無茶でした。手袋をしていたとはいえ、未硬化のレジン液を直に扱っていたので、手袋の指先部分が破れたりして誤って素手に液が付着したり、何回か使ったゴム手袋からレジン液が浸透したりして、手や指先が被れたりしました。動画内で言ってた「エライ目」ってのはこの時のことです。情報収集していく中で「サフレス塗装したものも、白サフにクリア塗り重ねて塗装したものも、正直あんまり違いなくね?」的な話を目にしたので、サフレス塗装は諦めておとなしくSSPHGパテで隙間埋めした後に白サフで目止めする方針にしました。

パーツが折れたりで再出力したこともありましたが、そんなこんなでおそらくもう1~2体フィギュア作れそうなくらいパーツが出来上がりました。最終的には10回以上3Dプリンターを稼働させてる計算になります。余ったパーツや精度が足りなかったパーツはずんだもんの時のように塗装時のテストピースにすることも考えましたが、2022/1/31までにフィギュアを完成させなければいけない、超個人的理由というかある無駄なこだわりがあったため、パーツの表面処理を済ませた後、ぶっつけ本番に近い形で塗装作業に入ることになります。

塗装について

結論から言うと「次はもう少し頑張りましょう」です。
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一応20年近く前に一回だけエアブラシを用いた塗装はやったことがあったのと、模型誌やそのムックなんかで基礎知識だけはありましたし、塗装環境を整え直した後にネットで最新情報も集め直したりはしてはいました。使用機材や塗装環境に関しては後々詳しく解説する予定ですので、ここでは割愛します。
肌の塗装に関してはMr.カラーのラスキウス、水着部分に関してはガイアカラーのパールシルバーを用いたパール仕上げ、他の部位は3色を使ったグラデーション塗装を当初は考えていました。ラスキウスに関しては、その存在を知った時、「いやバンダイも変態企業だけどGSIクレオスも十分変態企業やな、サンプルのモデルもなんかエロイし」って感じでした。
参考リンク:Mr.カラー LASCIVUS(ラスキウス)

サフ塗装までは塗料皿のメモリを用いて塗料を薄めていたのでそれまでは普通に吹けていたんですが、それ以降の塗装に関しては、「調色スティックが1さじ0.3ccだから、3さじ分の塗料にスポイトでうすめ液を2ml加えて薄めてやればだいたい1:2の濃度になるな!」って感じで濃度調整していました。実際のところ、1さじ0.1ccもなかったため、1:6~7ぐらいの濃度になってたと思います。そしていざ吹いてみると、なかなか色が乗らないわ、妙に塗料が垂れるわで、ご覧のありさまになった訳です。
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どのくらいの気圧だったかはわかりませんが、レギュレータで0.08MPaに調整している状態で、更にエアブラシのピース本体にある圧力調整ネジで相当圧力落として吹いた記憶があります。事前に調べていたリカバリ策も通用せず、途中で心が折れたので、グラデーションも2段階までにしました。

アイデカールについて

目に関してはアイペイントを早々に諦めていたので、デカールで印刷したものを貼る方針でいくことにしました。瞳の画像データは元々MOD用に作成したものがあったので、それを用いて作成しました。が、参考書籍で用いていたプリンタ用デカール用紙が絶版になっていたため、別のデカール用紙を用いることにし、各所で情報収集して、それらを掛け合わせた手法で仕上げることにしました。まず、白目に関しては白地のデカールを重ね貼りする方法が書籍で紹介されていましたが、白地のデカールが手に入らなかったため、エナメルの白で塗る方針に変更しました。黒目のデカールの裏に塗る方法もありましたが、失敗確率が高そうな気がしたというか、試しに塗って失敗したので、モデルの方に塗るようにしました。目の縁を彫っていたため塗りやすいだろう、ってのも理由の一つです。そして黒目の方は、普通紙に印刷したものでだいたいのサイズ合わせをして、ミリ単位で大きさを変えたものを複数用意して現物を合わせながらちょうどいい大きさのものを合わせる方針にしました。
しかし、プリンタが10年近く前のもので、インクも他社製のものを複数混ぜて使っていたためか、印刷したデカールが掠れたりインクが滲んだりして同じサイズの列が丸々使い物にならなくなったりました。そのサイズ列に限ってちょうどよさそうなサイズだったのですが、しょうがないのでその次にサイズが合いそうなものを貼り付けることにしました。5~6組分のデカールが犠牲になったところで、ようやく貼り付けに成功しました。
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リテイク可能回数にも直に影響するので、次にアイデカールで瞳の印刷をする時までにプリンタを新調しようかと思います。

組み立て

各種クリアでコートしたのちに最後の組み立てですが、ここでも実はやらかしています。
接合部が妙にグラついてたので色々いじってたら、誤って水着のストラップを折ってしまいました。エッチングパーツではなく3Dプリントした極細のレジンで、高靭性レジンとかそういうのではなく通常の水洗いレジンで作ったものなので、慎重に扱わないと簡単に折れる代物でした。一応スペアパーツも用意してたんですが、それも塗装中に折れてしまったので、残機0でやらかした瞬間、美女に局部を蹴られたような悲鳴をリアルで上げました。幸いパーカーの後ろに隠れる部分だったので、粉を少な目に混ぜたSSPHGパテで応急処置しました。
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塗装でやらかした時もそうでしたが、完璧を目指してエターナるよりも、多少のガバに目を瞑りつつ完走して成功体験を積み重ねる事の方が大事だと自分に言い聞かせ、どうにか完成にこぎつけました。
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ちなみにパーツの接着にはエポキシ接着剤とSSPHGパテを使いました。

完走した感想について

完走した感想ですが、正直メッチャテンションがブチあがりました。ぶっちゃけ前髪と後ろ髪との合わせが甘くて頭部の地肌が隙間から少し見えてたり、接着後にパーツ間で隙間ができちゃったり、接着剤がはみ出しちゃってたりと、他にもガバポイントを数えたらキリがありません。
ですが。
ずんだもんフィギュアの時もそうでしたが、やはり1から何かを作り上げた瞬間の感動というのは何物にも代えがたいものがあります。

それからはもう近くの100均で材料を調達してきて即興で簡易撮影ブースを作って撮影タイムです。似たようなことは某3Dアダルトゲ-ムの撮影機能でもやってきたことなんですが、デジタル空間ではなく現実の空間で撮影するのはまた違った興奮がありました。
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撮影機材もスコタコもといiPhonePro11のみで行ったのですが、「あぁ、ももちゃんのこのエロかわいい美しさをうまく写真で切り取れないのがこんなにもどかしいだなんて!!」って感じでヤキモキしながらシャッターを切っていました。いやホント写真じゃなくて実物を見せて回りたいくらいな気分です。やはり模型誌とかの撮影技術ってのはスゲーんだな、と感じました。

というわけで、ほとんど参考にならない制作後記でした。
もう少し参考になるような、技術的な制作記事は今後の制作活動を通じて書いていくとして、
本記事で「コイツ自分で作った『俺の嫁』のことがよっぽど好きなんだな」ってのと、手探りでモノ作りに挑んでどうにか完成にこぎつけた姿が少しでも伝わればと思います。

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